むらさきいもラテ

140文字では足りなくなったら書きに来る場所

世界で一番幸せで優しい場所だった、………なSTORY

※ネタバレは一切していませんが、わたしの感情や感じ方ありきの内容なので、これから参加される方でフラットな状態で参加したいと言う方は以降ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

ようやく幕が上がった

NEWS LIVE TOUR 2020 STORY

 

ここまでの紆余曲折は割愛するが、とにかく有観客で開催にまでこぎつけられた。

 

わたしは今回、一公演だけ参加をして、その一公演を余すところなく噛み締めようと思っていた。

大切な大切な、わたしの『STORY』。

 

複雑な思いがないわけじゃないけれど、わたしはNEWSが3人になったあの日から泣いたのは一度だけ、『音楽の日』の「生きろ」の歌唱のときだけだったから、今回はどうなるかなと自分の感情の振り幅がわからなかった。

 

結論から言うと、1ミリも泣かなかった。

 

始まった瞬間から楽しくて、ワクワクして、時折ちょっと胸がチクッとするところもあって、でもやっぱり目の前にいる3人が頼もしくて、かっこよくて、ワクワクが増えていって。

 

なんて最高で最強なNEWSなんだろう!!って思ったら、妙に清々しく爽やかな風が自分の心に吹いていた。

 

正直、これは見る人によって感情の置きどころはかなり変わると思う。悔しい、悲しい、寂しい、そんな気持ちを抱いたまま見る人もいるだろう。やるせない怒りが燻ぶったままの人もいるだろう。はたまた4部作を見届けてやろうなんて言うどこ目線か分からないような人もいるだろう。消えた姿の面影を探しに来る人もいるだろう。

 

わたしは『4部作を完結させよう、4人のNEWSにケリをつけよう』思っていた。

 

実はまだWORLDISTAは見られていない。封も開けずにおいてある。

4人の歌声は聴けない、聴けるのはラジオで流れたときだけだ。

わたしは過去をなかったことにはしていないし、それもNEWSが歩んできた歴史だと理解しているけれど、過去に戻りたいとは思わないし、また4人でとは微塵も思わない。

 

4人のNEWSにはピリオドが打たれてしまっている。ただSTORYが宙ぶらりんのまま、仮のピリオドみたいな感じだった。

 

そんな中、彼らは2020年にやるつもりだった構成はそのまま、あえて大きな変更はせずに『STORY』の幕を開けた。

 

一曲一曲と3人の声で歌が作られていく。めちゃくちゃキーの高い歌、難易度の高い曲、それはまさに彼がこのグループにいた証そのものだ。

 

 

その証に対して、彼らは真正面から向かって挑んでいた。

 

確かにあったはずの声がない、4人の曲として作られた歌はどうしたって苦しそうになる。それはキーだけじゃなく歌割りも含めて。

しかし、それも全部3人の『作品』として出してきた。声が出なくなったって、キーが合わなくたって、不安定になったって、それらを蹴散らすほどに彼ら3人の歌声は説得力を持っている。

 

優しくて、強くて、そしてエグいくらいに残酷だと思った。なぜなら4人であったということは確かに感じるのに、今の彼ら3人の『STORY』はしっかり成立していて揺るがない。音程、声量、技術、それらを超える、魂が込められた歌声でぶつけてくるのは、実にエグい。

 

出せないだろうと思われた高音が会場全体に響く、再編された歌割りでは新しい可能性が見える、彼ら3人は『4人のNEWS』に果敢に挑んでいた。

 

そして、やってのけた。

 

不可能かもと言われたこと、思われたことを可能にした。音程やらリズムやらそういうことじゃない、彼らの気持ちが『歌い上げた』。

 

これはエグい。何度も言うが、優しくてエグい。

 

なかったことにはしていないし、いなかったことにもしていない。それはすべてを受け入れる優しさと、目をそらさない強さだ。

 

と同時にNEWSであることへのプライド。

 

『過去のNEWS』に挑んでいく『NEWS』は間違いなく最高で最強な3人だ。

 

あくまでわたしが実際にこの目で見て、セットリストで聴いて、感じたこと。

 

なかったことにしていないことを優しさと受け止めて心寄せる人がいたり、なんで?の繰り返しになった人がいたり、(本当はメチャクチャむかつくけど)やっぱり抜けた穴は大きいねと思う人や歌えてないからやっぱり彼が必要だという人がいたりするかもしれない。

 

ただ、わたしが3人の『STORY』を目の当たりにして感じたのは、彼の影を探しに見て来ていたとしたらすごく苦しいと思った。

 

なかったことにしてはいないが、『そこに彼の居場所がある』わけじゃない。

『そこが彼の居場所だった』ということを突きつけられるのだ。過去形で。

 

どんな苦難からも逃げずに、すべてを受け止めて挑んでいる3人が眩しくて、清々しい。

 

音が外れた、声が出てない、やっぱり無理だなんて、そんなこと一切思えない。果敢に挑戦していく彼らに『ほら無理じゃん』なんて非情な冷水を浴びせようとするのは、歌が伝えてくる本質が伝わってない、心の貧しさだと思う。

 

NEWSは、過去もひっくるめてNEWSでいることを選んだ彼ら3人と、そんな彼ら3人を愛するファンの『居場所』だ。

 

どこまでも優しくて、ちょっぴり残酷だとも思う。

4人のNEWSを探して行く気持ちで参加すると、余計に現実を突きつけられる。

 

それは、4人の『STORY』ではなく、3人になった『STORY』だからだ。

 

 

 

NEVERLANDから始まった4部作。

NEVERLANDのときに渡された鍵、NEWSを愛する心があればずっと持ち続けていられる鍵。

 

STORYを終えて、その鍵を持ち続けるか、どうするかはあの日鍵を手にした持ち主次第。

 

わたしは、もう戻ることのない4人の影を求め続けるのならその鍵はそっと心の奥へしまうべきではないかと、それが『NEWSを守り、NEWSでいることを選んだNEWS』への敬意ではないかと思わずにはいられない。